自閉症 発達障害

自閉症や発達障害について

世論を騙し続けた論文のカラクリとそれを引用した罪深き者たちへ

オーフース大学、デンマークの自閉症研究を表彰

By ウッラ・ダニエルセン、ジャーナリスト、DKコペンハーゲン

デンマークのオーフース大学(AU)は、今世紀初頭に本学内で行われた自閉症の疫学的研究で、その研究の主導者、クレーステン・メルドガルド・マドセン博士が、2005年に博士論文で賞を授与されたことを非常に光栄なことと受け止めた。

クレーステン・メルドガルド・マドセン博士は、1996年に医学部を卒業し、2004年に「ワクチンと自閉症」という論文で博士号を取得した。

クレーステン・メルドガルド・マドセン博士の有名な結論の1つに次がある。「デンマークのデータはMMRワクチンと水銀含有ワクチンが自閉症の原因であるという仮説を支持しない。」

世界中で、自閉症の流行に巻き込まれた人も含めて、このデンマーク人の主張はよく知られている。彼の主張は、いわば、ワクチンを自閉症の起因物ではないかとあえて問う人々の主張を抑止的に否定するために、見事なまでに作られたものであった。

AU、マドセンについてインターネットのホームページで報告

クレーステン・メルドガルド・マドセン博士が2005年に賞を受けた後、AUはこの出来事を大学のホームページで報告した。

「彼は2つの仮説を視野に入れていた。どちらも、近年、ある種のワクチンと自閉症発症率上昇との間に因果関係がありそうなことを示唆する仮説であった。

最初の仮説は、はしか・おたふくかぜ・風疹の三種混合ワクチン(MMRワクチン)が自閉症発現原因と考えられると推定していた。

もう1つの仮説は、水銀含有ワクチンが子供の自閉症の起因物と考えられるというものだった。クレーステン・メルドガルド・マドセン博士はデンマーク国内の登録患者をベースにこの仮説を検証した。

彼の結論は、デンマークのデータからは、MMRワクチンや水銀含有ワクチンが自閉症の起因物であるという仮説は支持されない、というものだった。」

CAMPUSも報告

大学の機関誌「Campus」も、自閉症を研究して受賞した博士について記事を掲載した。

「とりわけ、1992年に水銀を薬物から排除した後、自閉症の発症率は上昇したことが分かった」とCampusは記した。

真実を取り出す媒介としての時間

しかし、時として「時間」が真実を取り出す媒介となることがある。

米国情報公開法(FOIA)によって公開された電子メールのやり取りでは、3名のデンマーク人自閉症研究者、つまり件の人であるクレーステン・メルドガルド・マドセン、マレーネ・ブリシエット・ローリッツェン、およびポウル・トーセンと、米国CDCの従業員であるダイアナ・シェンデルは、1992年にデンマークの子供ワクチンから水銀(チメロサール)を排除した後、2001年に入って自閉症が減少していることを突き止めたことが記されていた。

だが、2003年にデンマーク人研究者達は雑誌「Pediatrics」にまったく逆のメッセージを込めた論文を発表した。

この研究者達は、出版論文の最終版でこの不都合な2001年の数字を無視することで対処した。この論文には2001年のデータがない。

ベアトリス・スロース博士への手紙

デンマーク科学不正行為委員会書記長、ベアトリス・スロースへ博士への手紙で、水銀非含有薬品連盟(CoMeD Inc.)の会長であるリサ・K・サイクス氏は次のように書いている。

「もっともひどい不正行為は、Madsen et al. (2003)の論文で行われたデータ分析でした。米国情報公開法によりCDCから入手した2002年11月13日における電子メールのやり取りでは、論文の共著者であるマレーネ・ローリッツェンは、1999年から2001年の間、自閉症発症率が実際には減少していると記していました。」

この米国人からデンマークの権威への、この科学的不正行為に関する手紙はこう続いている。「自閉症発症率について、ローリッツェン博士は『しかし2001年に発生率と患者数は依然減少している』と記した。サイクスも、『このデータは、チメロサールへの暴露が自閉症の起因物ではないという論文の主張を支持しない。しかし、発表論文の最終版には、2001年のデータは掲載されなかった。』」

問題の論文は、2003年に出版された雑誌Pediatricsに掲載された、「Thimerosal and the occurrence of autism: negative ecological evidence from Danish population-based data」である。

CoMeD Inc.からデンマークの科学的不正行為委員会への訴状は2011年9月27日に米国からデンマークに送られた。CoMed Inc.のウェブサイトに掲載されている。

オーフース大学は2005年にマドセンに博士号を与えたことの道義的責任を負う

オーフース大学がデンマーク人の自閉症の疫学研究者のクレーステン・メルドガルド・マドセン博士に博士号を授与してから7年が経過した。

しかし、時間の経過とともに明るみに出たこの憂慮すべき事実は、オーフース大学に対して、マドセンの所見が実際デンマークの発育中の子供達の健康データによって支持されることを保証しなければならない義務を負わせるものである。

悲劇的な流行の重大さを受け止めた上で、AU学長のラウリッツ・B・ホルム・ニールセンと、副学長のセーレン・E・フランセン、大学ディレクターのヨルゲン・ヨルゲンセンは、道徳的・倫理的に、国際的研究者を支援する義務を感じなければならない。

日本国内においても同じである。数多くの医療団体、専門家などが、このデタラメ論文をかざし、声高にワクチンや水銀で自閉症にならないと叫んでいた。

これは、重大犯罪である。仮に2004年から現在至るまで、9年間で何十万人の自閉症を発生させたのでしょうか。

頭を丸めて記者会見してすいませんでした。と言うぐらいのことがあっていいと思います。

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