自閉症 発達障害

水銀説

水俣病と自閉症

水俣病と自閉症

先日、水俣病の資料館に行ってまいりました。
ご存じのように水俣病は、工場廃水の水銀が海を汚染しその海の魚を食べた人達に発症した水銀中毒です。
水俣病の発症から漁民、チッソ、(工場排水の企業)行政、医療関係者といろいろな方々の生きざまを拝見して深く考えさせられました。
この事を書くと大変長くなるので、興味のある方は、一度行かれるとよいと思います。

胎児性水俣病

胎児性水俣病とは、お母さんの水銀を背負ってこの世に生れてきた子たちです。
宝子とも呼ばれていました。宝子とは、お母さんの水銀毒を背負って生まれてきたからだそうです。
資料館に行っておやっと思う写真が、何枚かありました。
両手で両耳をふさいでいる子、右目と左目の焦点が合っていない子、顔の表情が自閉症の中度・重度の子に似ているもの。
ご存じのように水銀は、胎盤を通ります。
生まれた赤ちゃんの中には、お母さんの毛髪水銀量よりも多い水銀を持って生まれてきた子もいたそうです。
そして、胎児性水俣病は、奇形が少なく五体満足で生まれて脳の発達障害を持って生まれてくるのが、大半だったそうです。
但し当時は、水銀の影響で流産、死産もかなり多かったそうです。

※桑原史成氏の水俣写真全集があります。

※胎児性水俣病の写真も沢山載っています。

※往復の送料をいただければ無料で貸し出します。

水俣市での自閉症発症率について

数年前に医療関係者の人たちが、自閉症の原因が水銀ならば、水俣市の自閉症の数を調べて、数に突出したデーターがないから、水銀が原因ではないと結んだ。
大変、おおざっぱな調査で、素人を騙すような手法としか思えない。
水俣病本人、次世代と言っても既に50年経っています。
又、50年前に日本に自閉症なる言葉は、存在していないのでは?!

水俣で写真を撮り続けた写真家の桑原史成氏は、
「水俣の悲劇は、胎児性水俣病まで」
と言っています。

国立水俣病研究センターの最近の調査で、
水俣市民の平均毛髪水銀量は、1.53ppm
千葉県民の平均毛髪水銀量は、3.35ppm
宮城県民の平均毛髪水銀量は、2.38ppm
だったそうです。

極めて水銀値が低い地域なので、水俣地域では、自閉症の発症率は、全国平均より低いとおもいます。
水銀汚染地域と言っていますが、すでにそのような事はありません。
昭和52年に、水俣湾の先端に仕切り網をかけ魚が、外洋に行かないようにしています。
漁業操業は、昭和30年代に禁止されています。
平成2年には、水俣湾の水銀ヘドロを除去して湾の大半を埋め立てています。
熊本県は、毎年水俣湾の水質と魚の水銀量を調べて平成9年に安全宣言をして、仕切り網もとりはずされています。
これで、現在、水俣市は、水銀汚染地域ではないということです。

そして、この国では、自閉症は、先天性脳機能障害といい、水銀がというものであれば、行政・専門家が違うという。
弊社で検査した子供の9割は、水銀に問題があるのに。
米国では、ハリウッドスターのジムキャリーがテレビで、
「恋人の子供は自閉症です。」
「そしてこの自閉症の原因は水銀だ。」
といっていたそうです。

何人かの横浜市会議員と話す機会があり、そのなかで言われてたことは、
「養護学校が足りない。」
「療育センターも足りない。」
「この十年ぐらいで何故こんなに増えているのだろう。」
「このまま増えると予算も大変なことになる。」
と言っていました。

厚生労働省も、近年、妊婦の魚の摂食について、魚の切り身の水銀量まで書いてかなり丁寧なパンフをつくりました。
厚生労働省も、発達障害児が増えると、税金がつかわれるので増やしたくない。
しかし水銀が原因ということになると、社会問題になるので言えない。
こんなところじゃないでしょうか。

自閉症の専門家と言われている人たちも、昨今の増えかたに対し、何も思っていないのだろうか?
化学物質の研究者が、水銀の危険性を言っていることに対し、別物だとおもっているのか?

このまま増えると何十年、いや、数年後に、妊婦さんの毛髪検査が義務化するのも、間違えないと思います。

各国の毛髪水銀と胎児調査

ニューヨークにあるロチェスター医科大で、妊娠中に水銀曝露を受けた84組の妊婦と子供の組み合わせを特定した。
母親の妊娠中の毛髪水銀濃度をもとに生まれてきた子供の神経額的所見などの影響を調査した。
その結果、歩行の遅れや発語、知能、中すい神経症状の頻度の間に相関関係があったとされている。

ニュージーランドでは、シェレストローム氏らが、産科医院にきた11000人のうち、妊娠中に週3回以上魚類を食べている母親約1000人の毛髪水銀濃度を測定した。
これらの妊婦のうち73人が6ppm以上の高濃度の水銀値を示した。
この73人のうち38人について4歳になった時、追跡調査をした結果異常がある、及び、疑わしい子供たちが51%でした。

デンマーク領フェロー諸島でも、ゴンドウクジラを常食する島民の子供約1000人を対象として胎児期メチル水銀曝露の影響調査が、行われている。
その結果からは、注意力、言語、記憶において、毛髪水銀濃度の高い子どもでの割合が増加しているなどの影響がみられた。

アメリカのEPA(環境保護局)で、農薬、有害物質予防局で課長をしているキャサリンRマハフィー博士は、フェロー諸島での調査をもとに母親の毛髪水銀値10ppm以下でも、胎児の脳に機能障害が出る可能性があると指摘しています。
EPAは、誰もが一生摂取しつづけても健康に影響受けない値(リファレンスドーズ)として、0.1?/体重・日という数値を提案していた。
これは、毛髪水銀値に換算すると、ほぼ1ppmに相当する厳しい数字です。

微量水銀汚染について

国立水俣病研究センターの元研究部長の坂本さんは、メチル水銀の影響を受けやすい胎児期を考えれば、水俣病の問題は、けっして過去のことではない現在でもメチル水銀はさまざまな形で口に入ってくる。
こうしたメチル水銀を胎児に移行させてしまわないため将来にわたって十分な考慮がされなければならない。

世界中に広がりつつあるメチル水銀の「微量汚染」が、これから生まれてこようとする新しい命にとって深刻な課題となってくる。
現在環境負荷でなんといっても石炭や石油など化石燃料の燃焼による大気への放出が一番の問題です。
化石燃料の燃料による大気への水銀の放出は、アフリカで197トン、ヨーロッパで189トン、飛びぬけて数値が高いのはアジアの860トンだ。
最大の排出国は中国で、偏西風や黄砂に乗って日本に届く可能性がある。
その影響を明らかにするのは、急務と考えている。

国連環境計画が、北極海の氷を調査したところ、氷を縦断面に切って水銀濃度を測ると、上の方に近づくほど濃度が、高くなっていました。
すなわち氷が出来た時期が現在に近いほど高いのです。

フィンランドやニュージーランドなどの人口密集地から離れたようなところにある湖の水銀濃度が、年を追って上昇している。
これらの真実は、いまや世界中どこへいっても、環境中の水銀汚染から逃れられないことを示しているのだとすれば、私たちが口にする食材の安全性には、どれだけ気をつかってもつかいすぎるということはないだろう。
妊婦であればなおのことだ。

※上記の内容は、水俣胎児との約束 矢吹紀人著 大槻出版から引用させていただきました。

※この本は、水俣で医療活動された板井八重子医師のお話です。

※素晴らし内容なので、お勧めの1冊です。

米国ニュージャージー州における環境水銀の話

ニューヨークタイムスのジャーナリスト、ディヴトカビィーさんの記事によれば、ニュージャージー州の自閉症の数は、94人に対し1人の割合です。
米国全体では、160人に対し1人です。このニュージャージーの人数は、アラバマ州の3倍です。

このニュージャージー州北部に、ノースバルと言う町があります。
この町のstアンソニー学校では、3人に1人が学習障害で13人に1人が自閉症です。
又、学校の女性の教職員39人から生まれた子供のうち14人が発達障害だったそうです。

ニュージャージー州では、世界最大の薬品工場があり、ここでは、もちろん水銀化合物を作っています。
1997年に大手製薬会社は、違法に大気中に水銀を放出したため罰金を払っています。

ノースバルでも現在1か月あたり1000ポンドの有害物質が大気に放出されています。

stアンソニー学校の近くでも金属加工の工場があり、ここから鉛、カドミウム、水銀が大気に放出されています。
又、学校から200フィートのところに、世界的電子機器メーカーの本社工場があり、水銀スイッチ、電池、他、重金属を使った電子機器を作っています。

となり町で、小児科医をしているローレンスローゼン博士は、ニュージャージー州で自閉症児を300人診ています。
ローゼン博士は、特定の環境要因で、自閉症、発達障害に成ると言っています。
そしてそれは、非科学的なことではないし、もっと調べる必要があるそうです。
ノースバルで公立学校の統括監理をしているヤンファマンさんもこの事に同意しています。

水俣市の意味のない、自閉症の発症率を調べるのであれば、この地へ行って現場の生の声を聞き、データーを見てきたほうが、勉強になると思います。

原文は、こちらをご参照ください。